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The Archive

2002/10/26


Ray OzzieのWeblog上にこんな素晴らしいもの をみつけた。ときどき宝石のような情報がインターネットの上にはある。Lotus Notesの開発者として有名なRay Ozzieはいま、Groove NetworksのFounder, Chairman & CEOである。この10月1日のWeblogは、1997年10月1日、つまり彼がGrooveの仕事を始めた日から5周年を記念して書かれたエッセイだ。 ここには、1997年末に彼が書いた「Market Opportunity: 市場機会についての構想メモ」も添付されている。P2Pという概念が一般に話題になったのは2000年だが、それよりも2年以上前に彼 はこんな構想をまとめて、本格的開発を始めている。5年間の開発期間を経て、いまGrooveのコードは500万行とのこと(ちなみに1989年にNotesをリリースしたときは50万行)。NotesとOzzieについての日本語の解説は、関さんという方がIBMのサイトで書いている「ノーツの誕生」を、Grooveについては、2000年10月のニュースを、Ray Ozzieの経歴については、Ozzieのサイトをご参照されたし。


ヒューレット・パッカード社で量子科学研究ディレクターを務めるStan Williams氏のインタビュー「Tech's future lies beyond silicon」。
「That change is probably not around the corner. But within the next decade--and definitely within the next 15 years-- it's all but certain that new substances will supplant silicon as the material of choice in computer chips, says Williams.」とある。

「around the corner」(間近に)はないが、10-15年先に大きなブレークスルーを もたらす可能性のある新技術に対して、誰(国? 大企業? ベンチャーキャピタ ル?) がどういうメカニズムで資金を供給し、その資金を投じた主体や現実にイ ノベーションを生み出す個人がどういうリターンを得るべきなのか。イノベー ション経済に関わる難問中の難問である。

2002/10/25


台湾・台北市「ホテル・ロイヤル・タイペイ」で23日、24日と二日間かけて行われていた将棋竜王戦「羽生善治竜王対阿部隆七段」の第一局が、連続千日手で勝負つかず。主催する読売新聞のサイトの掲示板と控室情報では、賛否両論、分かれている。

僕の趣味の一つは将棋観戦なのであるが、この連続千日手については、この将棋を並べながら、いずれ将棋専門誌などに書かれる記事や評論も全部読んで、じっくりとその意味を考えてみたいと思う。きわめて本質的な何かを象徴しているような予感がある。しかしこのサイトの掲示板と控室情報だけ読むにしてもかなりの情報量なので、あとでゆっくりということにしよう。


Googleのニュースサイト・ベータ版について、日本ではどのくらい話題になっているのだろう。まだの人はぜひ一度、散策してみたらどうか。このサイトは、世界中のニュースサイト(英語圏)を対象にGoogleの検索エンジンを頻繁にかけることで、ほぼ自動的にGoogleニュースを作って頻繁に更新されている。むろんNew York TimesSan Jose Mercury Newsのような特徴のある編集というのとは対極だが、圧倒的な情報量で面白い。ふだん絶対に読まないようなニュースサイトの記事もたくさん出てくる。もともと検索能力にはすぐれているわけだから、最新ニュースの検索機能は最高である。これまでのGoogleだと、つい数時間前に更新されたサイトで何が書かれているかの網羅的に検索することはできなかったが、ニュース性の高いキーワードでの検索が、いまは容易になった。

日本のことについて書かれた英語メディアもほぼすべてカバーしているから、「Junichiro Koizumi」でも「Heizo Takenaka」でも何でもいいが、そういうキーワードで検索してみると、海外からのさまざまな視点を感じることができる。


去年の9月11日以降、STRATFORのサイトを眺めるのが習慣になった。僕は国際安全保障のプロではないから、ざっと眺めるくらいでよいので、有料会員登録(一般個人$119.95/年、学生$60/年)はしていない。でも世界のどこにどういう危険が存在するのかは無償サイトの範囲で十分にわかる。ほとんどの記事は、概略のみ無償で、全部読むには有料会員登録が必要。ただときに無償で中身まで読める記事もある。WAR DIARYというのはいまのところ無償でアクセスできるようだ。去年の9月11日以降のSituation Reportsも一応、全部、無償で読めるみたいだ。

2002/10/24


いきなり「今日からBlogを始めることにしました」と言って昨日からBlogを始めてみたが、Blogって何だ? と思う人もいることだろう。 ちなみに、僕のPCにインストールされている「英辞郎」の少なくとも「Personal Dictionary for Win32 Ver 4.37」には、Blogという言葉は入っていない。Blog(ブログ)はWeblog(ウェブログ)の略。「Blogとは何か」について細かくは諸説あるようだが、僕としては、文章スタイルにそれほどこだわらず、できるだけ頻繁に更新し(海外出張で忙しいとき以外)、ネット上で読んで面白かったものをリンクつきで紹介したり、雑誌や新聞に書いた原稿を少し補足したり、たまにはプライベートな関心事についても書く、というようなことにしようかなと思う。 ウェブログについては、静岡大学情報学部の赤尾晃一助教授の「ハイパージャーナリズムとしてのウェブログ」というプレゼンテーション資料がわかりやすい。


スタンフォード大学教授のローレンス・レシグ教授がレッド・ヘリング誌に寄稿 した「Copyright Law and roasted pig」 は、米国の著作権延長法をめぐる議論。論旨明快でわかりやすい。米国の著作権延長法についての日本語での解説は、牧野和夫氏の「ミッキーマウスとアメリカ著作権法の改正」を参照されたし。

2002/10/23


暇があるとMITのオープンコースウェア(OpenCourseWare)を眺めている。「起業家精神こそ経済再生の決め手」の中でも書いたのだが、このMITのオープンコースウェアは、2007年までに学部と大学院課程全部を網羅した2000科目の教材が公開される計画。現時点ではそのうちの36科目だけが試験的に公開されている。36科目のパイロットから2000科目をイメージするのはけっこう難しい。でも、相当すごいものが出来上がるのだろうなぁという予感はある。まだ教室での授業を撮影したVideo Lectureは、 「Professor Strang's Class 18.06 Linear Algebra Lecture Videos, Fall1999」だけみたいだが、忙しいのにLinear Algebraの第一回の授 業を40分も見てしまった。でも、内容よりも、どんなふうに教えるのだろう、ということのほうに興味があった。歳をとったものである。


僕がBLOGに興味を持ったのは、Dan Gillmor's eJournalというBLOGを読み始めたときからだった。

Danはシリコンバレーを拠点とするジャーナリストで知人なのだが、彼はいろいろと大切な会議に出席しては、その内容をこのBLOGで報告している。会議に出なくてもそのエッセンスがわかるので、とてもありがたいと思った。ただそれを読んでいるうちに、どうやら、会議の出席者の中に、会議で誰かがした発言を速記に近い形でリアルタイムに記録して(マニアックだ!!!)、BLOGで世界に発信するという文化があるらしいことがわかった。たとえばDanは、今月だけだって、まず、ハーバードビジネススクール「Harvard Business School conference called Next Generation Growth」に出ている。そして、その中で、「Be sure to check out Kevin Marks' weblog for more on this event. Also Denise Howell and Robert Scoble.」 と書いている。

この三つのBLOGは本当にマニアックで、誰が何を話したか、本当に手にとるようにわかる。

そしてDanはすぐにスペインに向かい、ETRE (European Technology Roundtable)に出る (ETRE, Day1ETRE, Day2ETRE, Day3)。

さらに、Agenda 2003というコンファレンスに出る (What's on AgendaCopyright Cartel Fails to Persuade at Agenda 2003 Amid Agenda's Gloom, Google's Growth)。 このAgenda 2003というコンファレンスは閉鎖的な会議で有名なので、BLOGGERが問題となったようだ。John Patrickという人のBLOGも参考になる。

そしてDanは旅を続けて、Pop Techというコンファレンスに出て、しっかりと報告を続ける (PopTech, Day OnePopTech, Day 2)。 Pop Techの場合は、このBLOGサイトを見ると、内容がよくわかる。 まあとにかく、すごいエネルギーとすごい情報量である。


不透明な世界経済、日本経済の今後を考えるとき、僕はいつも、中前忠さんが何を考えているのか、それを羅針盤にするようにしている。 その意味では、最新の『中前 忠氏が読み解く 「世界株安は何を語るか」』は面白い。難解だがじっくり読む価値があると思う。

中前さんは、1986年6月に独立系シンクタンク「中前国際経済研究所」を設立された。そこのホームページ にいくと、中前さんの発想を感じ取ることができる。2002年10月4日 日本経済新聞(夕刊)「十字路」欄に掲載された「不良債権処理がそれほど重要か」、そして、同社が四半期ごとに出しているオピニオン「米国景気はなぜ失速するか」も面白い。


東京での生活を引き払って、1994年10月23日(日)に、妻と二人でシリコンバレーに来ました。それから8年が経ち、ちょうど今日から9年目。いまは妻とラブラドール犬のジャック(黒・オス・6歳8ヶ月)と一緒にロスアルトス市 に住んでいます。シリコンバレー経済はバブル崩壊の調整過程にあり、相変わらず芳しくありませんが( The Mercury Newsに関連記事 )、水面下での研究開発の勢いは衰えていません(SiliconValley.comの関連記事)。僕はシリコンバレーが大好きなのでバイアスがかかっているかもしれませんが、シリコンバレーの復活を信じています。この苦境からシリコンバレーがどのように復活するのかを、この地に住んで、この目で確かめてみたいと思っています。

シリコンバレーのNPOで、Joint Venture: Silicon Valley Network というのがあります。シリコンバレーについて概観したい人にはベストサイトの 一つです。特に最も新しい「Preparing for the Next Silicon Valley:Opportunities and Choices」という論文は、PDFファイルでダウンロードできますが、今後のシリコンバレーを考える上で示唆に富んでいます。


投球を待つボール遊びが大好きなジャック

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