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The Archive

2002/11/09


ウェブサイトをぶらぶらしていたら、面白いサイトにぶつかった。筑波大学の宮本陽一郎氏の「現代文化論」のシラバス。96年の講義らしい。実験的にウェブに載せたものがまだ残っていたのでしょうか。特に、Appleのマッキントッシュが誕生した1984年を「アウトローテクノロジーの誕生」としている講義メモ。パーソナル・コンピューター小史の冒頭が、科学研究開発庁(Office of Scientific Research and Development)の初代長官、Vannever Bushの1945年7月の論文"As We May Think"の話から始まっている。この論文は、掲載したAtlantic Monthlyとしても、きわめて重要な論文と位置づけているらしく、"As We May Think"は同社のウェブで公開されている。宮本陽一郎氏の著作に何があるか調べていたら、今年の4月に「モダンの黄昏」という本が出ている。では読んでみようと、注文してから気づいた。6,000円もする本なんですね。ちなみに書評はここで読めます。

2002/11/08


ずいぶん昔から、大学での期末レポート等の剽窃・盗作問題(デジタル化されたコンテンツが豊富に用意されたいま、いろんなものをつぎはいで、レポートの格好だけつけるのはすごく簡単になったから)に興味があって、最近はどうなっているのだろうと思っていた矢先、ニューヨークタイムズにこんな記事が出た。

結局、事態はあまり進展していない。大学にとっては永遠の課題といえるようだ。90年代末にアメリカの大学で教えていた岡田正大慶大大学院経営管理研究科助教授によると、『この問題は、私もアメリカの大学で丸4年間、学部生と格闘したので、大変印象深いです。まず私の経験をお話しすると、一クラス70人程度のクラスで国際経営戦略入門を教えていた時、同僚(他のクラスで同じ科目を教えているインストラクター)と同じ問題の期末レポートの採点をしていたところ、学生の解答の傾向などを話し合っているうちに、「何か似た解答内容があるなあ」ということになって、よく見たら、ほとんど一言一句同じ。またあるときは、どうも前に見た記憶があると思って調べると、前学期の他人のレポートがそのまま 出ていた。こんなことが年に1,2件ありました。どのケースも学生を呼び出すとほぼ100%白状して試験はF(0点)にしました。私の事例は、試験問題が分野特殊なこともあり、Webサイトへアクセスしてそっくり回答をコピーするということはできませんでしたので、友人や知り合いの間でのデジタルファイルの回しあい、というケースです。』とのこと。

米国には、エッセイ・ベリフィケーション・エンジンという盗作探知ソフトがある一方、レポート用のコンテンツを販売するサイトもある。日本の大学はどうなっているのでしょう。興味のある人には、少し古い資料だが、あまり事態に進展がないようなので、次のサイトが参考になります。
期末レポートの盗作を見つけるプログラム
「期末レポートのデジタル・カンニング攻防戦」()()
Rooting out plagiarists with software

2002/11/07


亡くなった友人・小林収を偲んで「小林収メモリアルサイト」を作ったことは以前にこのサイトの「最近のニュース」でご報告した。彼が「日経ビジネス」編集長だった時代(1999年春から2001年春まで)シリコンバレーや東京でいろいろなことを議論した。その中で、彼に指摘されてなるほどなぁと思ってよく覚えているのは、日本の外食産業とシリコンバレーのIT産業の対比についての議論だった。

小林さんは「日経ビジネス」のあと「日経MJ」に移るのだが、日経MJメールマガジンの「MJ部長のコラム」という文章の中で、こんなことを書いている。
「考えてみると、日本の外食VB(ベンチャー)を取り巻く環境は、シリコンバレーのIT産業とちょっと似ています。まず、「食」に関する日本人のこだわりと国際性。バレーが国境を超えて新技術と才能を迎え入れたように、日本は食の世界では各国の料理と調理人を受け入れ、それをさらに洗練しています。VBを発掘・支援するインフラも、食の分野では豊富。デパートの地下街(デパ地下)の担当者は新しい料理、食材を提供する企業を必死になって探しており、FCの加盟店募集を代行するベンチャーリンクのような会社もあります。そして、この分野に今、大企業からスピンオフした人材が集まってきました。」

ラーメン店、カフェに変身――カップルや女性ターゲット」のような外食ベンチャーの記事を最近よく見かけるが、そんなときはいつも小林さんのこの文章を思い出す。

2002/11/06


Googleが「Google Answers」というベータサイトを開いた。Google Newsのときは「凄いなぁ」と思ったが、今回は「どうだろう?」という感じ。

Internet.comのニュースによれば、ユーザは、アカウントを開き、「pay a non-refundable 50 cent fee for eachquestion」。そしてその質問を答えてもらうのにどれだけカネを払ってもいいかを決める(between $2 and $200 is suggested, depending on complexity)。そのあと、500 Google Answers researchersが質問に答えるべく仕事をする。ユーザが回答に満足すれば支払うし不満ならば支払わなくていい。そういうビジネスモデルをイメージしているらしい。

僕の仕事仲間からは、「Google is now trying a beta of a paid version of “ask Jeeves” with the twist that it is live ‘experts’ that supply the answer. This sort of thing was tried in the 2000 timeframe but I don’t know if any of the companies doing it survived. I guess google is testing the value of becoming “ the eBay of expertise”.」というメールが届いた。「The eBay of expertise」ねぇ、うまくいくかなぁ。

2002/11/05


お勧めのメールマガジンを一つ。僕も最近購読し始めたのであるが、CORANTEが無償で毎日配信してくる「テクノロジーに関するニュースへのリンクと紹介」はなかなかよい。
「Corante is an independent news service on the technology sector that provides access to the vital articles and information decision-makers can't afford to miss. Every day our expert editors scan hundreds of sources for the news stories, magazine articles, and related items that truly inform and provide the context, perspective and analysis that industry professionals need.」
だいたい無償できちんとしたものは、しばらくすると行き詰ってつぶれるものだが、それまでの間は十分に利用価値がある。

2002/11/04


アマゾンがアパレルに参入することになったニューヨークタイムズに、
「Apparel, which was slow to sell online at first, is now one of the biggest categories in online shopping, driven largely by the traditional catalog retailers. Forrester Research estimates that despite the dismal economy, online apparel and footwear sales will be $5.2 billion this year, up 21 percent.」
とあるように、online apparel and footwearは米国では巨大市場。現在のサイトはまだまだ発展途上だが、アマゾンならばいずれ相当しっかりしたサイトを作ってくるだろう。消費者として楽しみである。

一般に、日本の消費者に比べて、米国の消費者はものすごく大雑把に服を買う、というのが僕の印象。だからこそ、比較的近い将来、アマゾンが米国の大多数の消費者にとって必要十分な情報と購買プロセスを、ネット上に仕上げてくるのではないかと思う。

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